第85回 奇妙きてれつな「専門26業務派遣適正化プラン」 その4

厚生労働省「専門26業務派遣適正化プラン」の最終回です。
 
このプランは、「専門26業務派遣」の「適正化」に関連して、1「事務用機器操作」、2「ファイリング」、3「付随的な業務等を行う場合の留意点」の順に管理監督のための行政指針を述べています。
 
付随的な業務等を行う場合の留意点」については簡単に次のように述べています。
○「事務用機器操作」、「ファイリング」等「専門26業務」を行う場合でも、
・付随的に行う業務の割合が通常の場合の1日又は1週間当たりの就業時間数で1割を超えているケース
・全く無関係の業務を少しでも行っているケース
 は、全体として「専門26業務」ではないと評価されるため、派遣可能期間の制限(原則1年最長3年)の適用を受けることとなる。
 
「専門26業務」として行われている派遣であっても、「秘書」の名目で派遣されていながら、お茶くみやコピーをさせられるなど、特定された派遣業務とは無関係な業務に一部または大半従事させられているケースが多いことはよく知られています。厚労省の適正化プランは、そうした事実を念頭においたものです。
 
しかし、何が付随的な業務か、付随的な業務に何時間、何日従事したか、何が全く無関係な業務であるかを見極めて業務の内容と時間を監督指導することは容易ではありません。厚労省の別の指針では「専門26業務の付随的な業務」と「専門26業務の付随業務」は別のものとされていますが、何が「付随的な業務」で何が「付随業務」かを判別することも困難です。そのうえ上記の「留意点」は、行政指針にすぎず法的強制力をもつものではありません。その意味で、非常に無力で、実効性はほとんど期待できないと言わざるをえません。
 
すでに第26回(2010年1月27日)でも述べたことですが、「専門26業務」のうち、事務用機器操作、ファイリング、建築物清掃、案内・受付・駐車場管理、などは専門とは名ばかりの単純業務だと考えられます。ここに挙げていないものの一例ではテレマーケティングも専門業務とされていますが、派遣会社のHP情報には、「新規顧客開拓で、企業や個人に電話営業やアンケートを行う仕事です。受け答えはマニュアル化されているものが多く、未経験者可のお仕事も多くあります」と書かれています。
 
以上要するに、現行の派遣法では「専門業務」であることを理由に期間無制限の派遣が認められている「政令26業務」は、多くが専門業務とは言えないことは明らかです。

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