第233回 学生アルバイターがこれだけいれば労働組合を作っても当然です

当ブログのトピックス欄に「大学生らが労組結成 バイトの労働条件向上求め」(2013/09/07)という共同通信の記事が出ています。

今日では多くの大学生や高校生がアルバイトに従事し、コンビニや外食などの産業で学生アルバイターが基幹的な労働力になっています。では、いわゆるアルバイト学生はいったいどのくらいいるのでしょうか。

今年の7月に、5年毎に行われる「就業構造基本調査」(「就調」)の2012年結果が発表されました。そのニュースでは非正規労働者が2043万人、38.1%に達し、実数でも比率でも過去最高を記録したことが話題になりました。

この2043万人というのは、高校、専門学校、大学、大学院など、在学中にアルバイトに従事している雇用者136万人を含んだ数字です。自営業における家族従業者を含めると、在学中の就業者は143万人に上ります。内訳は高校生25万人、専門学校生10万人、短大生6万人、大学生93万、大学院生8万人となっています。

アルバイト学生のなかにはフルタイム労働者並に就業している者が9万人います。なかには週60時間以上働いている者が1.4万人、年間300日以上働いている者が1.5万人います。

警察庁の自殺統計を見ると、ここ3年ほど、大学生の「就職失敗」による自殺が増加しています。それに関連して注目されるのは、2011年に大学生の「仕事疲れ」による自殺が4件も起きていることです。これはおそらく「アルバイト過労自殺」と考えられます。今では過労とストレスで自殺するほどきついアルバイトもあり得るということです。

「就調」にもどれば、大学生のアルバイト従事率は33%(282万人のうちの93万人)です。しかし、関西大学の2011年「学生生活実態調査」によれば、66%の学生がアルバイトを「継続的にしている」と答えています。それと比べると、「就調」の数字は過小ではあっても、けっして過大ではありません。

付け加えれば、近年就職難が深刻化するなかで、就活生を中心に大学生のアルバイト従事率は低下傾向にあります。にもかかわらず、大学院生を含めると100万人を超える大学生がアルバイトの形態で非正規労働者に組み入れられている現実を直視すれば、大学生が労働組合を作るのも当然と言わなければなりません

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