(労働情報) 非正規公務員問題関連記事(2021年10月~2022年2月)改訂

 個人的に、労働関連情報を、主にWebや、定期購読している雑誌、新聞などを使って集めています。このブログに、テーマ別に注目情報を整理して、できるだけ頻繁、かつ、タイムリーにアップしていきたいと思います。
 まず、この秋にWebで取り上げられた、非正規公務員問題をめぐる記事、論考などを集めてみました。
Asu-netでも、大阪で毎年、開催される「官製ワーキングプア集会」の中心になっているメンバーもいますが、一般的にはメディアなどで大きな注目を集めてきたとは言えません。しかし、コロナ禍で住民サービスの第一線で働く公務員の多くが非正規雇用の不安定で劣悪な状況で働いていること、エッセンシャルワークに従事していることが明らかになりました。
 今後、これ以外の情報があれば、さらに追加していく積もりです。(2021年12月6日 文責:swakita)
 なお、韓国では、公共部門の非正規職たちが全国ストライキをするなど集団的な闘いで自らの地位を改善する運動を進めています。以下は、最近の記事です。韓国では、この非正規職の人たちも「非正規公務員」ではなく、民間労働者と同様にストライキ権をもち、また、日本の労働契約法よりも進んだ2年での無期雇用転換制度が適用されます。日本の非正規公務員は、こうした韓国や欧州諸国の公共部門労働者に比べて余りにも無権利で理不尽な法的地位におかれています。
 公共部門の非正規職労働者たちが労働者大会を開催…差別解消などを要求=韓国(Wow Korea 2021.11.20)
(更新:2021年12月19日)
 Webで閲覧できる関連論説などを追加しました。
 「年度末雇い止め相談の案内」も掲載しました(最終更新:2022年2月14日)

公益社団法人日本図書館協会非正規雇用職員に関する委員会「会計年度任用職員に関する提言」2022/01/24

 「今回の会計年度任用職員制度は、「働き方改革」の一環として、民間職員対象の同一労働同一賃金政策とも呼応するものであり、法整備とともに雇用や労働条件の改善が期待されるものでした。しかし勤務時間によって給与や手当に差をつけるなど制度そのものが十分とは言えない上に、自治体による運用が様々であり、実施後、総務省や労働組合などの調査により現場で色々な問題が起きていることが分かりました。
 安定した雇用と良好な労働条件は、図書館職員に必須である経験と知識の蓄積にとって必要なものであり、図書館職員の多くを占める会計年度任用職員の働き方は、図書館の維持、発展に大きな影響を及ぼすものです。そのためここに提言を出し、会計年度任用職員の任用の実際と制度の改善を求めるものです。」(はじめに)
 提言内容
1.制度の趣旨に沿った実施
2.より望ましい制度の実施
3.法改正を含む望ましい制度の改革

非正規公務員関連の注目記事

 女性は数年前に非正規の相談員になった。悩みを丁寧に聞き取り、相談者に寄り添う。時にはDV加害者の電話もくる。「しんどいが、困っている人の支えになりたい」との熱意が支えてきた。だが会計年度任用職員になっても待遇は低く、毎年度の公募で先は見えない。「法律や心理の勉強を重ね、経験を積んできたのに、自分はこの程度なのか、と自信を失ってしまう。専門員としての仕事を評価してほしい」

【連載・非正規公務員に明日はあるか⑤】専門職の正規採用を 保育や介護、DV相談支援 公共サービスの低下懸念(南日本新聞2021/11/24)
■地方自治総合研究所・上林陽治研究員に聞く
非正規職員が勤務中死亡 勤務管理ずさん、2年過ぎても補償審査始まらず 屋久島町(南ニッポン新聞2021/11/12)
「屋久島町の非正規職員の男性が2019年8月、勤務中に死亡し、2年以上たった現在も労働災害補償の実質審査が始まっていないことが11日、南日本新聞の取材で分かった。地方公務員災害補償法に基づき、公務災害の審査対象となる「常勤的非常勤職員」に当たるか、入り口の段階で関係機関の判断が分かれており、町が男性の勤務実態を正確に把握していなかったことが原因とみられる。」

要望書「女性の非正規職問題の対象に、公務部門の非正規職も入れてください」(ハムネット2021/11/28)

非正規公務員関連論考(Web上の情報)

公務非正規女性全国ネットワーク(通称:はむねっと)
官製ワーキングプア研究会ホーページに、数多くの情報が掲載されています。
★印は、北海道労働情報NAVIブログに掲載されているものです。

上林陽治(地方自治総合研究所 研究員)さんの論考(Web上の情報)       Click
日本評論社HHPHHPHP

上林陽治『非正規公務員のリアル
欺瞞の会計年度任用職員制度』(日本評論社、2021年2月)

目次
第一部 非正規公務員のリアル
第1章 ハローワークで求職するハローワーク職員
     ――笑えないブラックジョークに支配される現場
第2章 基幹化する非正規図書館員
第3章 就学援助を受けて教壇に立つ臨時教員――教室を覆う格差と貧困
第4章 死んでからも非正規という災害補償上の差別
第5章 エッセンシャルワーカーとしての非正規公務員
     ――コロナ禍がさらす「市民を見殺しにする国家」の実像
第二部 自治体相談支援業務と非正規公務員
第6章 自治体相談支援業務と専門職の非正規公務員
第7章 非正規化する児童虐待相談対応――ジェネラリスト型人事の弊害
第8章 生活保護行政の非正規化がもたらすリスク
第9章 相談支援業務の専門職性に関するアナザーストーリー
第三部 欺瞞の地公法・自治法改正、失望と落胆の会計年度任用職員制度
第10章 深化する官製ワーキングプア――とまらない非正規化、拡大する格差
第11章 隠蔽された絶望的格差――総務省「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会」報告
第12章 欺瞞の地方公務員法・地方自治法改正
第13章 不安定雇用者による公共サービス提供の適法化
第14章 失望と落胆の会計年度任用職員制度
第四部 女性非正規公務員が置かれた状況
第15章 女性活躍推進法と女性非正規公務員が置かれた状況
第16章 女性を正規公務員で雇わない国家の末路

動画

全労連公務部会「非正規公務員の無期転換制度を求めるシンポジウム」(2021/05/29)
第13回なくそう!官製ワーキングプア集会 反貧困集会2021 (2021/11/21)

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