ご存じの小嶌氏(阪大教授)は、経済財政諮問会議「労働市場改革専門調査会」の委員であるが、主張はいつも「労働者脅し」である。日経4月1日の「経済教室」では、「直接雇用、期間3年超だけでは義務生じず」「法(派遣法)改正で製造業の海外流出加速する懸念」などを論じている。その最後には、いつもの調子で、「雇用機会そのものが日本から失われる。事実を直視した冷静な議論ができなければ、そうした危機にわが国は直面することにもなろう」と結んでいる。この日経新聞では、日本共産党志位委員長が国会で派遣問題を取り上げていることが気にくわないのか、派遣労働者数と正社員削減数にイチャモンを付けたうえ、「マジックに惑わされてはならない」と警告するが、派遣労働者数を少なく読み取る氏の数字こそ怪しい。氏が言いたいのは、「派遣切りは小さい問題で、直接雇用は企業のリスク」となると。特に今回は、派遣先に「直接雇い入れの申し入れ義務」が発生する問題を取り上げ、「単に三年を超えただけで、派遣先が派遣労働者を直接雇用しなければならないとする規定は派遣法にはない」「雇用契約を申し込む義務を負うとしても、厳格な条件を満たす場合に限られており、ハードルはかなり高い」だと強弁している。この記事以降、労働局の対応に変化が起こっているようである。違法派遣を合法化させようとする氏は、大阪地方最低賃金審議会「公益委員」、NTTリストラ裁判で会社側意見書を提出した人物、大阪労連は甚だ「公益性に問題あり」として任命取り消しを求めている。労働局からは回答、返事がない。奴に気をつけろ!(大阪労連/服部信一郎)