朝日新聞 2014年7月31日
厚生労働省が31日発表した6月の毎月勤労統計調査(速報)で、労働者1人(パートを含む)が受け取った現金給与総額は平均43万7362円と、前年同月より0・4%多かった。ただ、物価の影響を加味した実質賃金指数は1年前より3・8%のマイナス。賃上げが物価上昇に追いつかない状況が続いている。
けいざい入門「消費増税後の経済」
現金給与総額は、基本給に残業代とボーナスを足したもの。実質賃金の前年割れは12カ月連続になる。消費税率が上がった4月以降は落ち込み幅が3%を超え、6月もリーマン・ショックの影響でボーナスが激減した2009年12月の4・3%減に次ぐ減り幅になった。
一方、名目の現金給与総額は4カ月続けて1年前を上回った。特に、春闘で賃上げの動きが広がり、基本給が前年同月より0・3%増えた。ただ、基本給の増減率は、確報段階でマイナス修正される可能性がある。
雇用形態別での現金給与総額は、正社員などの一般労働者が前年同月比0・5%増の57万6449円、働く時間の短いパート労働者が0・6%増の10万1512円だった。(山本知弘)