朝日新聞 2013年4月7日
【青木美希、鬼原民幸】福島第一原発周辺の除染現場で働いていた岩手県の男性(50)が3日、税金から1日1万円支払われる危険手当の不払いを隠すよう業者から強要され、拒否すると解雇されたとして、いわき労働基準監督署に是正指導するよう申告した。同労基署は労働基準法違反の疑いもあるとみて調べる。
【除染実態、情報求めます】
申告によると、男性は昨年10月、青森県の零細業者から福島県いわき市の下請け業者に送られ、ゼネコンの前田建設工業などが受注する楢葉町で働いた。青森県の業者から9千〜1万円の日当だけを得ていた。今年2月、下請け社長から危険手当の有無を確認する書類を示され、「もらっていると回答しないと明日から仕事はない」とうそを強要された。拒むとその場で事実上の解雇を告げられたという。このほか、下請けの同僚3人も手当不払いなどで是正を求めた。
下請け社長は取材にうその強要を否定。手当は青森県の業者に支払い、男性本人と業者から退職の申し出があったと説明した。ただ給料を払う会社と指揮命令する会社が異なり、雇用が不安定になる違法な「偽装請負」の状態で男性を働かせたうえ、手当を直接本人に支給しているように装う偽の雇用契約書にサインさせたと認めた。前田は「元請けとして指導は適切にしている」と回答した(引用はここまで)。
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