Nifty News 2014年2月27日
在宅ワーク紹介サイトを運営する「Sagooo(サグー)」が行った調査によると、子どもを持つ親(396人)の36.9%が「子どもの就職活動を手伝っている」と回答したそうだ。
具体的な「手伝い方」が一番多かった回答は「面接練習」で89.0%。親子で「志望動機をお聞かせください」とやっている場面を想像すると、なんとなく微笑ましいような、気恥ずかしいような気もする。
「エントリーシート(ES)作成」という回答も34.9%あった。子どもの長所や短所は親が一番知っている、と思っているのだろうか。
子どもは「無知で過干渉」な親にウンザリ
一方、就活生自身は、親の過干渉を望んでいない。2013年に日経就職ナビが行った調査では、「面接練習に付き合って欲しい」と回答した学生はわずか13.7%にとどまっている。
親子の数字のギャップが大きいが、子どもが望んでいないのに、親の方が「やってごらん、見せてごらん」と口を挟んでいるのだろうか。
逆に多かった回答は、「相談したときに意見を言ってほしい」(72.8%)「就活資金を援助してほしい」(64.9%)だった。「相談したときに」と断る理由は、それ以外のタイミングでガヤガヤ言われたくないということだろう。
人材コンサルタントの常見陽平氏も、無知なのに過干渉な「バカ親」が、学生の就職難のひとつにもなりうると指摘している。
常見氏の著書『親は知らない就活の鉄則』(朝日新書)には、W大の女子学生が家族に翻弄される様子が描かれている。彼女が夕食後にテレビを見ていると、母親からCMのたびに「あなた、この企業受けたらどう?」「ここなんかもいいんじゃない?」と言われたそうだ。
「バランスの取れたサポート」も必要か
女子学生は、こう言って不満を漏らしたという。
「その会社のこととか業界を知らないのに。しかも、ほとんどCMが流れるたびに言うもんだから、さすがにイライラしちゃって」
リクルート出身で金沢星陵大学・進路支援センター長を務める堀口英則さんも、北陸中日新聞で親の過干渉にクギを刺している。
「保護者のころと就活の状況が違うので、よかれと思った助言が子どもをミスリードしてしまうことがある。まずは今どきの就活を知ってもらいたい」
ただ、この大学の入学時偏差値は40前後だが、毎年90%前後の就職率を誇るという。親の関与がまったくなければ、ここまで数字が上がっていただろうか。子どもの就職には、バランスの取れた親のサポートが効果を発揮することもある、ということだろう。