外国人技能実習で立ち入り検査体制 政府新設の監督機関

SankeiBiz 2014.10.28

 政府は、外国人技能実習制度の見直しで、新設する監督機関が受け入れ先の企業を3年に1度、立ち入り検査する体制を整備する方針を明らかにした。

 成長戦略で技能実習生の受け入れ拡大を打ち出しているが、実習生に対する人権侵害や賃金不払いなどが懸念されており、実習生の保護を強化する狙い。2015年の通常国会に関連法案の提出を目指す。

 技能実習では、国内の受け入れ団体が海外の送り出し団体と契約を結んで実習生を受け入れ、国内団体の傘下企業で働くことが多い。約2000ある団体に許可制を導入し、毎年立ち入り検査する。拒否した場合、罰則を設ける。受け入れ先の企業は約3万社。3年間で全て立ち入り検査するため、各社が3年ごとに検査を受けることになる。

 新機関は、実習生の母国語での相談窓口を設け、人権侵害などがあった場合に一時保護する業務も新たに始める。行政に準じた強い権限を持つため公法人とし、本部と13カ所の地方事務所で計約330人体制を目指す。受け入れ企業や団体が、適正な実習を行っているかなどを新監督機関が審査し、優良と認定された企業や団体に限り、実習生の受け入れ拡大を認める。

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