大手企業で「追い出し部屋」などと呼ばれる部署が相次いで設置されている問題で、田村憲久厚生労働相は29日の閣議後会見で、パナソニックなど5社に実施した「先行調査」の結果を公表し、「明らかに違法であったとはいえない」と結論づけた。ただ、しつこく退職を迫れば違法になるとして、5社に注意を呼びかけたことを明らかにした。
調査では、朝日新聞が昨年末に、部署の設置や退職を促す行為があったと報じた5社に任意で聞き取り調査した。連日のように社員に退職を促す面談をしていたとの回答はなかったなどの理由で、「明らかに違法な退職強要を行っていると考えられる事案は確認されなかった」とした。
5社以外にも部署の設置が報道などで明らかになっているため、これらについても田村氏は「また調査をしっかりしたい」と述べた。さらに「全体としてどれぐらいあるかの調査は、大きな社会的問題になれば検討したい」と、本格調査をする可能性を示した。