病気の発症は過重業務が原因だとして、元福岡大工学部准教授の50代男性が同大に退職無効の確認と給与の支払いを求めた訴訟の判決が22日、福岡地裁であった。池田聡介裁判官は、発病と業務の因果関係を認めて退職は無効と判断し、同大に約4100万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は01年、大手建設会社から同大の准教授に転職。05年12月、脳内出血を発症した。06年5月〜08年4月、休職し、そのまま労働契約を打ち切られた。
池田裁判官は「後任が1人で担当しきれないほど多くの授業を担当し、学科会議や教授会の出席、学内委員会の委員など雑多な業務に従事していた」と指摘。「疾病の発症に至らせるほど量的、質的に過重なものだった」と認定した。さらに「業務上の疾病は退職規定の例外に当たるため退職は有効ではない」として、07年5月以降の未払い給与を支払うよう命じた。
福岡大は「控訴する予定」としている。【山本太一】