6月の名目賃金13カ月ぶり減 夏のボーナス減が影響か

 厚生労働省が4日発表した6月の毎月勤労統計調査(速報)によると、名目賃金にあたる労働者1人当たり平均の現金給与総額(パートを含む)は、前年同月比0・4%減の42万9686円で、13カ月ぶりに減少した。夏のボーナスの支給額が、前年より減った影響とみられる。
 現金給与総額のうち、基本給や残業代など、「きまって支給する給与」は同0・4%増の26万1583円だった。一方、夏のボーナスなど、「特別に支払われた給与」は同1・5%減の16万8103円で給与総額全体を押し下げた。厚労省は、「昨年6月のボーナスの伸びが大きかった反動も出ている」としている。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は「夏のボーナスの支給額は、円高などで落ち込んだ昨年前半の業績をもとに決めた企業が多く、昨年の支給額を下回る企業が多い」という。
 物価変動の影響をのぞいた賃金の動きを示す実質賃金指数は同0・8%減で、3カ月ぶりに下落した。名目賃金が下がったことに加え、電気代などエネルギー価格の高騰で消費者物価指数が上昇した影響がでた。

この記事を書いた人