NHKニュース 2014年12月17日
先月、施行された過労死防止法に基づいて、遺族や専門家が参加して対策について話し合う協議会の初めての会合が開かれ、遺族から「勤務時間が適切に管理されているか調査すべきだ」といった意見が出されました。
過労死防止法では、国に対して過労死の実態を調査し、対策を講じることが義務づけられていて、過労死で家族を亡くした遺族や専門家が参加する協議会が設置されました。
17日は初めての会合が開かれ、塩崎厚生労働大臣が「痛ましい過労死を防ぐために知識や経験に基づいた貴重な意見をいただきたい。関係省庁とも連携して過労死防止に全力で取り組んでいく」とあいさつしました。
会合では、過労による自殺で息子を亡くした女性が「息子は勤務時間が適切に管理されておらず徹夜しても休むことができなかった。そうした実態を調査することが過労死防止につながる」と意見を述べました。
また、長年、過労死の問題に取り組んでいる弁護士は、「労働時間が把握されておらず過労死の立証が困難なケースも多い。そうした場合の救済策も検討すべきだ」と話しました。
厚生労働省は、今後、協議会の議論を踏まえ、来年6月にも過労死防止のための具体的な対策を取りまとめることにしています。