長時間労働で心筋梗塞発症 元従業員、運送会社を提訴 (3/10)

長時間労働で心筋梗塞発症 元従業員、運送会社を提訴
https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/202003/0013182683.shtml
2020/3/10 21:30神戸新聞NEXT

〔写真〕長時間労働が原因で心筋梗塞を発症したとして、当時の勤務先を提訴した男性=姫路市内

 長時間労働が原因で心筋梗塞を発症したとして、兵庫県内在住の50代男性が10日、元勤務先の姫路合同貨物自動車(同県姫路市城東町清水)と同社の代表取締役2人を相手取り、約3080万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁姫路支部に起こした。

 訴状などによると、男性は同社の姫路市内の営業所に1997年から勤務。長中距離のトラック運転手として不規則な勤務を繰り返したほか、1日に複数回配送を任され、休憩がとれないこともあったという。2016年6月、仕事中に心筋梗塞を発症。時間外労働時間が月118時間を超えることもあったとする。

 以降、男性は心機能が低下した。軽い運動でも激しく息切れするといい、現在も通院を続けている。

 代理人弁護士によると、男性については18年3月、姫路労働基準監督署が業務上の災害として労災認定したが、会社側は長時間労働の実態はなく、発症との関連性もないとして交渉に応じていないという。

 提訴後の会見で男性は「労災を申請したいと申し出たら、上司から『自業自得だ』と言われた。会社に真剣に話を聞いてほしかった」と話した。

 同社の代理人弁護士は「まだ訴状を受け取っていないので、コメントは差し控える」としている。 

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