雇用と所得の補償を 非正規全国会議 新型コロナ問題で提言 (4/11)

連合通信・隔日版 No.9528 (2020年4月11日) 13頁
  研究者や弁護士でつくる「非正規労働者の権利実現全国会議」は4月6日、国に提言書を提出し、新型コロナウイルス感染症の影響から労働者を守るよう要請した。雇用継続が保障されない非正規労働者の雇用維持を第一に訴えている。
 同会議では感染症の影響について、非正規雇用やフリーランスを中心にウェブ上でアンケート調査を実施し、2週間で約300件の回答を得た。「雇用契約の更新が未定」「シフトがなくなり、収入減」「感染したら病気休暇は無給」「解雇ラッシュの中で再就職は無理」など、悲痛な声が相次いだ。
  調査結果を踏まえ、提言書では①感染症を理由にした安易な雇い止めや解雇の禁止②賃金全額相当の休業手当③フリーランスへの所得補償④医療福祉従事者の安全確保⑤非正規を理由とした安全確保上の格差の規制――などの特別措置が必要とした。具体的には、雇用継続を要件にした経営者の財政支援や労働者支援の行政体制の整備を求めている。
 代表幹事の脇田滋龍谷大学名誉教授は、非正規労働者の場合、シフト変更などで労働日や労働時間が削減されれば、休業手当の対象になる休業日そのものがなくなると問題視する。「(手当算出に関わる)平均賃金の計算では(土日を含む)暦日数が分母のため、日給や時給で働く非正規労働者の休業手当は、手取り額が6割ではなく4割程度にしかならない。極めて不利な仕組みだ」と強調。その上で「雇い止めを厳しく規制するとともに、非正規雇用労働者やフリーランスを対象にした特別の所得補償が緊急に必要だ」と語っている。

【関連情報】
非正規全国会議、新型コロナウイルスによる影響についての緊急アンケートの回答を受け、提言 (4/6)

この記事を書いた人