第39回 ASU-NETの新たな情報発信と活動に向けて

 働き方ASU-NETは、2013年7月末、NPO法人として出発し、若者と中高年が手をつなぐ、労働者・市民が連携するネットワークとして活動してきました。これまで人間らしい働き方や暮らしに関わる多様な問題に取り組み、雇用・労働に関する情報発信、労働相談活動、裁判支援、各種講座の開催、講師派遣活動、研究調査活動と政策提言を行ってきました。

 しかし、発足以来、代表理事として先頭に立って活動されてきた森岡孝二さんが、2018年8月、突然、亡くなられました。亡くなる直前まで過労死防止など、働く人々の状況を改善するために全力を尽くされた森岡さんを追悼する会(2019年2月23日)が、予想をはるかに超える多くの人が参加して行われました。

 森岡さんは研究者、教育者であるとともに、社会活動家としても目覚ましい活動をされました。働き方ASU-NETは、その幅広い社会活動の一つの場でした。日本社会では働き方をめぐって多くの問題が広がってきました。森岡さんは、その深刻な状況を多くの著書や論文で発表するだけでなく、広く社会に問題提起し発信するために、自らを社会活動家として位置づけ、働き方ASU-NETの代表として先頭に立たれたのです。

 私は、2019年6月14日、ASU-NETの定期総会で森岡さんの後任として共同代表になりました。森岡さんのASU-NETへの思いを受けて、働く人の問題を広く社会的に発信していければと思ったからです。現在の日本で働く人の状況はきわめて深刻です。非正規雇用、低賃金、長時間労働、過労死・過労自死、ハラスメントなど…多くの問題状況がますます拡大しつつあります。ASU-NETが、人間らしく働き暮らせる社会をめざす取り組みに少しでも寄与できればと思います。

 これまで私は、働き方ASU-NETのブログに度々アクセスして、「森岡孝二の連続エッセイ」を読んでいました。時々の労働にかかわる問題を取り上げる「連続エッセイ」は、平易な文章で綴られていて、読むのが楽しみでした。森岡さんは、このエッセイ以外にも、ブログ、Facebook,Twitterなど、インターネットを多様に活用した発信を重視されました。戦前生まれ世代でありながら、きわめて先進的でした。その結果、働き方ASU-NETの問題提起は、大阪地域にとどまらず全国的な広がりをもつことになりました。

 近年、若い世代を中心に、社会的情報を含めて、スマホやPCで入手することが一般化しています。ネットを通じた情報発信や労働相談の重要性、必要性がますます高まっています。働き方ASU-NETも、財政や人的力量に限界があります。紙媒体や集会など、古い活動スタイルのままでは活動の大きな広がりは困難です。当面、森岡さんが重視されたインターネットを通じて、ブログやSNSを積極的に活用していきます。

 今回、ASU-NETブログを大幅に改訂することにしました。新たな情報保護システム(SSL)を導入することを含め、多くの点で改善を加えました。安心してアクセスでき、従来以上に、働く人にとって大切な情報を時々の状況に応じて頻繁に発信できることになりました。今後、働き方ASU-NETは、人間らしい働き方の実現のために、この新たなブログを活用して、従来以上に活発な情報発信と活動を進めていきたいと思います。

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