日本生産性本部 「第1回 働く人の意識調査 新型コロナウイルス感染症が組織で働く人の意識に及ぼす影響を調査」(5/22)

日本生産性本部が、5月22日、新型コロナウイルス感染症が働く人々の意識に及ぼす影響に関するアンケート調査の結果を公表した。調査は、5月11日~13日に20歳以上の組織で働く就業者1100名を対象にインターネットを通じて行ったもの。
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調査研究・提言活動 資料ダウンロード
資料1:調査結果レポート(PDF:1.2 MB)
資料2:調査票サンプル(PDF:551.6 KB)
資料3:単純集計表(PDF:478.0 KB)

調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす公益財団法人日本生産性本部(東京都千代田区、会長:茂木友三郎)は5月22日、新型コロナウイルス感染症が組織で働く人の意識に及ぼす影響に関するアンケート調査(第1回「働く人の意識調査」)結果を取りまとめ、公表しました。
新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、日々の暮らしや働き方、組織の業務内容や運営形態などは変化を余儀なくされ、その影響は社会・経済の仕組みや人々の意識・価値観の変遷にまで及ぼうとしています。このような状況の下、経営者・労働者・学識経験者の三者構成による日本生産性本部は、組織で働く雇用者を対象に、所属組織に対する信頼度や雇用・収入等への不安感、働き方の変化などについて、アンケート調査を実施しました。
第1回調査は、政府による緊急事態宣言の発出から約1か月後の5月11日(月)~13日(水)、20歳以上の日本の雇用者(就業者から自営業者、家族従業者等を除く)1,100名を対象にインターネットを通じて行ったもので、今後も継続的に定点観測を行う予定です。主な特徴は以下の通りです。


【第1回「働く人の意識調査」主な特徴】(詳細や図表は別添「調査結果レポート」参照)

1. 労働時間・業務時間の変化(図6)、業種別・労働時間の変化(図7)

・労働時間・業務量・余暇時間とも「特に増減は無い」が4割以上。労働時間は43.2%、業務量は37.6%が「減少した」と回答した一方、余暇時間は42.8%が「増加した」と回答(図6)
労働時間の増減は業種による差が大きく、特に宿泊業(100%)、飲食サービス業(89.2%)で「減少した」の割合が多い(図7)

2. 勤め先の業績、今後の自分自身の雇用・収入への不安(図9~12)

勤め先の業績(65.3%)、今後の自分自身の雇用(47.7%)、今後の収入(61.8%)にはいずれも「不安」を感じている(図9)
・今後の雇用への不安感は業種による差が大きく、宿泊業(85.7%)、飲食サービス業(75.7%)、医療・福祉(65.0%)、生活関連サービス業(63.0%)で「不安」の割合が多い(図11)
・今後の収入への不安感は年代によって差があり、20代(68.5%)が最多、「かなり不安を感じる」の最多は30代(35.2%)。若年層の不安感の強さは懸念材料と言える(図12)

3. 勤め先への信頼感(図8)、(図13~14)

・勤め先による健康への配慮は、雇用形態や性別等の属性に関わらず68.7%が肯定的(図8)
・信頼の程度は、性別・雇用形態等の属性に関係なく「信頼している」「まずまず信頼している」が約7割、「あまり信頼していない」「信頼していない」が約3割(図13)
・年代別に見ると、「信頼していない」の割合が最も多いのは30代(39.4%)。収入への不安感と同様、特に30代雇用者へのケアが必要と思われる(図14)

4. 自己啓発への取り組み(図15~17)

・余暇時間の増加は見られたが、自己啓発を「始めた」は8.8%にとどまり、「始めたいと思っている」が30.1%、「特に取り組む意向は無い」が61.1%。業績・雇用・収入への不安が広がる一方、自己啓発という自らの価値向上に向けた行動にはつながっていない(図15)
・年代別に見ると、20代では自己啓発を「始めた」18.8%、「始めたいと思っている」35.4%、合わせて54.2%が積極的な姿勢を見せている(図16)

5. 新型コロナウイルス感染症による働き方の変化(図18~27)

・働き方については、「特に変化はない」が40.7%で最多、「多少変わった」が35.0%、「大きく変わった」が24.3%(図18)
職種別に見ると、「専門的・技術的な仕事」「管理的な仕事」で3割以上が「大きく変わった」一方、「生産工程の仕事」「輸送・機械運転の仕事」「建設・採掘の仕事」「運搬・清掃・包装等の仕事」では6~7割が「特に変化はない」としている(図19)
・柔軟な働き方の施策については、「特にない」が46.3%で最多。「自宅での勤務」29.0%、「時差出勤」16.3%、「短時間勤務」15.4%で、柔軟な働き方が一般化したとは言えない(図20)
・直近1週間の出勤日(営業日ベース)については、「1~2日」が37.3%で最多、「0日」32.1%、「3~4日」21.1%、「5日以上」9.5%で、2日以下の出勤が約7割を占める(図21)
・自宅での勤務の効率が「上がった」との実感は3割強にとどまる。なお、性別・年代等の諸属性や子どもの有無などの世帯構成との関連性は認められなかった(図23)
・自宅での勤務の満足感は、「満足している」18.8%、「どちらかと言えば満足している」38.2%と、約6割が満足。満足度についても、諸属性や世帯構成との関連性は確認できなかった(図24)
テレワーク実施における課題については、「職場に行かないと閲覧できない資料・データのネット上での共有化」48.8%が最多、以下「Wi-Fiなど、通信環境の整備」45.1%、「部屋、机、椅子、照明など物理的環境の整備」43.9%などが続く。「特に課題は感じていない」は8.4%にとどまり、多くの人が現状に不都合を感じていることが分かる(図25)

6. 新型コロナウイルス収束後の働き方や生活様式の変化(図26~27)

新型コロナウイルス収束後もテレワークを継続したいかについては、「そう思う」24.3%、「どちらかと言えばそう思う」38.4%と、6割強が肯定的で、満足感と符合する(図26)
・新型コロナウイルス収束後も働き方や生活様式の変化は起こり得るかについては、多くの項目で「どちらかと言えば起こり得る」「どちらかと言えば起こり得ない」が多く、可能性を判断しかねている様子がうかがえる。その中で、「業務の要不要の見直し」「Web会議の普及」「時間管理の柔軟化」「決裁方法のデジタル化」は、比較的変化の可能性が高いとみられている(図27)

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