新型コロナで雇用情勢に大きな変化 2020年5月の労働統計・調査関連News(最終更新 5/30)

政府の緊急事態宣言によって、雇用情勢に大きな変化が生まれています。
5/29、厚労省の「有効求人倍率」、総務省の「労働力調査」が発表されました。各紙が大きく取り上げています。有効求人倍率が大きく低下し、非正規雇用が97万人減、女性雇用の減など。さらに、日経は、「休業者」=潜在失業者の急増に注目しています。
4月の公表統計については、伍賀一道(金沢大学名誉教授)さんの 「最新の雇用・失業統計は何を示しているか」 (5/6)を掲載していますが、今月公表の統計についても、先月に引き続いて、寄稿をお願いしています。ご期待下さい。

失業予備軍600万人 雇用さらに悪くなる?(2020.05.30東京新聞)

新型コロナウイルスによる雇用への打撃が本格化してきた。総務省が二十九日発表した四月の労働力調査ではパートやアルバイトなど非正規雇用の労働者数が三月に比べ百三十一万人減少、前年同月比でも九十七万人減少し、二千十九万人になった。休業者数は前年同月から四百二十万人も多い五百九十七万人と過去最大に達した。休業から失業に移行する人も増えそうで、雇用はさらに悪化する可能性が高い。 (渥美龍太、池尾伸一)

さらに注意が必要なのは、労働力調査の「休業者」は、休業手当など何らかの収入を得ている人に限られている点。休まされても給与が全く払われていないと統計から漏れる可能性があり、実際の休業者数はさらに多い恐れもある。

 政府も雇用調整助成金の活用を呼び掛け、休業が失業に移行するのを防ごうとしているが、制度拡充は後手に回り、オンライン申請の不備も続く。日銀元審議委員の木内登英(たかひで)氏は「統計上の休業者などは、相当数が失業に移行する『失業予備軍』といえる」と指摘。「失業率は五月に急上昇する可能性があり、最終的には戦後最悪の6%台に達すると予想している」と言う。

(時時刻刻)働く場が奪われる 4月雇用統計、コロナが直撃(朝日新聞 5/30)

休業597万人 新規求人22%減 非正規失業97万人 働く場が奪われる
4月雇用統計 コロナが直撃
再開かなわず 突然の失職
生活ギリギリ しのびよる貧困
行き渡らぬ支援金 相談相次ぐ

休業者、最多の600万人 統計にみる4月の経済異変 (日経新聞 5/30)

新型コロナウイルスの感染拡大で、日本の雇用情勢が急速に悪化したことがわかった。4月の休業者数は過去最多の597万人。非正規雇用も前年同月比97万人減少しており、潜在的な失業が広がっている。自動車を中心に企業の減産も加速。緊急事態宣言が全国に発令された4月、日本経済はかつてないショックに見舞われた。

4月の有効求人倍率1・32倍、16年3月以来の低水準…新規求人31%減(読売 5/29)

 4月の有効求人倍率は1・32倍で、前月比0・07ポイント減となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言の影響などで、2016年3月の1・31倍以来の低水準となった。
 新規求人数は前年同月比31・9%減と大きく落ち込んだ。

非正規労働97万人減、過去最大 新型コロナ緊急事態宣言が影響(共同通信 5/29、東京など)

総務省が29日発表した4月の労働力調査によると、パートやアルバイトなど非正規労働者は2019万人となり、前年同月比で97万人減った。比較可能な2014年1月以降で下落幅は過去最大。4月の就業者数は前年同月比80万人減の6628万人で、7年4カ月ぶりに減少に転じた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言発令の影響で雇用情勢が大きく悪化している実態が浮き彫りとなった。

女性の就業者数、8年ぶり減少 宿泊・飲食は求人半分に(共同通信 5/29)

総務省が29日公表した4月の労働力調査では、就業者数は前年同月比80万人減の6628万人で、男女別では男性が27万人減だったのに対し、女性は2倍近い53万人減となった。女性の就業者数の減少は8年2カ月ぶり。非正規労働者が97万人減少しており、パートやアルバイトなど非正規の割合が高い女性の就業者数に影響したとみられる。新型コロナ感染拡大で雇用の悪化が鮮明に。

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