2008/08/20 日経ビジネスOnline、 竹中 正治
賃金抑制はもう限界
大企業の内部留保で日本経済が肺炎になる
労働分配率 8月13日に発表された今年第2四半期の実質GDP(国内総生産)成長率はマイナス2.4%(前期比年率)となり、第1四半期のプラス3.2%から一転、マイナスに転じた。
繰り返し指摘されていることだが、2002年以降の日本経済の回復、成長は輸出の伸びに大きく依存してきた。これを実質GDP成長率の内訳として純輸出(輸出と輸入の差額)の寄与度として見ると、2002年以降の年平均成長率1.8%のうち0.7%(つまり成長率の40%近く)は純輸出の伸びによるものである。今年第1四半期の成長率3.2%については、その50%が純輸出の伸びによる。世界経済の成長が鈍化しただけで、日本の成長率が大きく減退、あるいはマイナスになってしまうのは当然のことだ。
もともと日本経済の成長は輸出依存型だったというイメージを抱いている方は多いかもしれないが、決してそんなことはない。1980〜99年の期間で見ると、年平均成長率2.7%のうち純輸出の寄与度は0.04%に過ぎない(つまり成長率のうちわずか1.5%)。なぜ「世界経済がクシャミをすると日本経済は風邪をひく」ような外需依存の体質になってしまったのだろうか。
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