相次いで集会が開催された。1月29日、11の法律家団体呼びかけによる「労働者派遣法抜本改正もとめる緊急大集会」と30日、非正規労働者の権利実現全国会議主催の「官制ワーキングプアを考える」神戸集会である。いずれにも参加したが、労働組合間の潮流の違いを越えてちからを合わせている姿が社会運動の前進を感じた。派遣集会には400人を超える参加者が一体となり、改正案を協議している与党の動きに、声をあげた。脇田滋先生の講演「派遣労働は労働者のためにならない!本当に必要な改正と財界からの俗論批判」は、労働者派遣法の撤廃を当初から主張してきた研究者らしく、また「改正」を越える説得力のあるものであった。次々に発言する派遣労働者の実態、派遣先の使い捨てをゆるす異常な日本の派遣法の姿を浮かび上がらせるものだった。今月に法案化される過程に入るだけに、集中して署名や要請行動などが求められている。非正規労働者の権利実現全国会議は神戸元町で、「官製ワーキングプアを考える」集会を開催した。脇田滋先生が代表の運動研究会が呼び掛け、東京からの参加者もふくめ、ここも潮流をこえる集会研究会となった。神戸刑務所での偽装請負に端を発する栄養士の解雇事件、大阪地下鉄清掃労働者の自治体下請けの入札問題など、官制ワーキングプアの実態を浮かび上がらせる集会となった。大阪労連が4年連続して実施している「自治体調査」結果と問題点、東京荒川区職労の改善要求うの取り組み、尼崎市の公契約条例制定にむけた経過報告などは、今後の官制ワーキングプアを解消する方向を深める議論となった。派遣労働者が勇気をもって立ち上がり、政権交代を生んだが、その期待をうけた民主党政権は大きく揺らいでいる。くじけない労働者のたたかいと支える集団が、さらに政治をうごかそうとしている。(H)