厚労省政策統括官のもとで、学者による研究会が立ち上げられました。次回の日程はいつものように早めに公表されませんが、大きな動きと言えます。働き方ネット大阪としても注目していきたいと思います。「労組法上の労働者性」を課題にしていますが、労働契約法制定時に大問題のひとつとなった「労使委員会」(労働組合の形骸化)も視野に入っている可能性もあります。学者とは荒木尚志教授(東大)や山川隆一(慶応大)教授など自民党政権時からの政府贔屓の常連研究者がそろっています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000w1rl.html
開催要綱には、「近年、経済のグローバル化やサービス経済化、IT化の進展等を背景として、産業構造が変化し、企業組織再編が活発に行われる一方、パート、派遣労働者等の労働組合の加入率が特に低い非正規労働者が増加することにより、労働組合の組織率の低下が一段と進んでいる。このような経済社会の変化に伴い、集団的労使関係法制上も新たな課題が生じてきており、労使関係の安定を図る観点から、学識経験者を参集し、今後の集団的労使関係法制のあり方について検討を行う」としています。
参考資料には、? 労働者性の判断について係争中(労働者性を否定したもの)として、(1) 出演契約に基づき、出演業務に従事する楽団員(新国立劇場運営財団事件 東京高裁判決 平21.3.25)※中労委命令においては労働者性を肯定。最高裁にて係争中。(2) 業務委託契約に基づき、修理業務等に従事するカスタマーエンジニア(INAXメンテナンス事件 東京高裁判決 平21.9.16)※中労委命令においては労働者性を肯定。最高裁にて係争中。(3) 業務委託契約に基づき、修理業務等に従事するサービス代行店(ビクターサービスエンジニアリング事件 東京高裁判決 平22.8.26)※中労委命令においては労働者性を肯定。最高裁にて係争中。が紹介されています。(服部)