働き方ネット大阪の第16回つどいが7月24日(火)午後6時半よりエルおおさかで開催されました。折しも天神祭と重なりましたが、70名の参加があり、3分の1は20代の若者でした。服部信一郎氏のソウル報告、後藤宣代氏のアメリカ・フクシマ報告、4人のリレートークのいずれにも、参加者は大いに元気づけられたのではないかと思います。つどいは最後に以下に掲載するアピールを全員の賛同で採択しました。
声を上げて世界を変えよう!
1 日本でも諸外国でも声を上げ行動し、職場や政治を変える動きが確実に拡がっています。
日本では、3.11以降の反原発運動の高まりのなかで、長らく見られなかった大規模な集会とデモが復活してきました。このところ毎週金曜日夜は、首相官邸前で10万人を超える人々が再稼働反対の声を上げています。また、7月16日の東京・代々木公園における大江健三郎さんや坂本龍一さんら著名9氏が呼びかけた「さよなら原発10万人集会」には、17万人もの労働者、市民が集まり、3方に分かれたデモでも原発なくせの声をとどろかせました。
アメリカでは、長引く高失業と就職難のなかで、一部の富裕層だけが優遇される体制に抗議する若者の「オキュパイ(占拠)運動」が昨年9月にウォール街で始まり、全国の主要都市に波及していきました。
韓国のソウルでは、昨年10月の市長選挙で、市民派弁護士の朴元淳(パク・ウォンスン)市長が誕生し、今年5月から、市の非正規職員の4割近い1054人を正規職員に転換しました。プサンでは、韓進重工業造船所の女性溶接工キム・ジンスクさんが整理解雇に反対してクレーン上に籠城し、それを支援する「希望バス」に全国から5次にわたり1万数千人が参加し、勝利の後押しをしたという感動的なドラマもありました。
フランスでは去る5月の大統領選挙で社会党のオランド氏が勝利し、若者の雇用創出、富裕者課税、原発依存率引き下げなどの政策に着手しています。
2 本日の「声を上げれば世界は変わる」と銘打った働き方ネット大阪第16回つどいは、上記のような日本と世界の動きに学びながら、どうやれば声を上げ権利を主張することができるのかをテーマに開催されました。
第1報告者の服部信一郎(本会副会長)さんは、大阪革新懇ソウル訪問団事務局長として、20人のツアー参加者とともに朴元淳市長と面談し、非正規労働センター、福祉国家ソサエティなどと懇談した成果をもとに、橋下大阪市政とは対照的な自治体革新の新しい波を話されました。
第2報告者の後藤宣代さん(福島県立医科大学講師)は、最近何度もアメリカを訪れ、現地のオキュパイ運動の参加者たちと交流して学んだことと、3.11以降の原発被災地フクシマにおける女性を中心とする子どもの命と健康を守る運動で体験したことを話されました。
リレートークでは、?若者の労働相談と生活支援に元気に取り組んでいるNPO「POSSE」事務局長の川村遼平さん、?不当解雇などを団体交渉や裁判で闘って大きな成果を上げている「大阪青年ユニオン」の北出茂さん、?女性と子どもの生命を守るために原発ゼロ運動の一翼を担っている「新日本婦人の会」(新婦人)大阪中央支部事務局長の呉竹陽子さん、?強まる生活保護攻撃のなかで申請者と受給者を支援する活動を果敢に展開している「大阪の生活と健康を守る連合会」(大生連)事務局長の大口耕吉郎さんにご登壇いただき、岩城穣弁護士の司会のもとに、それぞれの要求を掲げて声を上げる活動の経験と課題を語り合いました。
3 本日のつどいに参加した私たちは、いま、職場、地域、全国、世界で何が起きているかを見つめ、一人一人の労働者・市民が要求を掲げて声を上げることの重要性を学びました。このつどいの成果を拡げるためにも、様々な分野における運動が盛り上がろうとしているいまこそ、ストップ原発! ストップ消費増税! ストップ過労死! ストップ貧困!の声を大きく上げていきましょう。
2012年7月24日
働き方ネット大阪 第16回つどい参加者一同