辺野古移設反対派稲嶺氏の再選確実=名護市長選

ウォール・ストリート・ジャーナル(時事通信)2014年1月19日

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設の是非が争点となった同県名護市長選は19日投開票され、受け入れに反対する現職の稲嶺進氏(68)=無所属、共産、生活、社民、沖縄社会大衆推薦=が、移設推進を掲げた新人で前沖縄県議の末松文信氏(65)=同、自民推薦=を破り、再選が確実となった。反対の民意が示されたことで、早ければ2022年度に同市辺野古沿岸部での代替施設建設を終え、普天間を返還するとした日米両政府の現行計画に影響が出るのは確実だ。

 政府は、仲井真弘多知事が埋め立てを承認したのを踏まえ、予定通り移設を推進する考えで、近く地質調査や新たな飛行場の設計に着手する方針。これに対し、稲嶺氏は、市長権限を使って工事を阻止する構えで、県内の移設反対派の動きも激しさを増しそうだ。

 市長選は稲嶺氏の任期満了に伴う。知事が昨年末に埋め立てを認めて以降、地元の民意が初めて問われた。

 稲嶺、末松両陣営とも、推薦した政党が幹部を相次ぎ投入するなど、総力戦を展開した。稲嶺氏は「新しい基地は造らせない」と公約。普天間飛行場の県外移設を主張し、無党派層にも支持を広げた。一方の末松氏は、移設に伴う政府の米軍再編交付金などを財源に、国の地域振興策に沿った街づくりを進めると訴えたが、保守系候補一本化の遅れなどが響き、及ばなかった。

 投票率は76.71%で、前回を0.25ポイント下回った。期日前投票者数は1万5835人。前回の1万4239人を上回って過去最多となり、有権者数(4万6582人)の約34%を占めた。 [時事通信社]

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