最高裁:東芝解雇元社員の賠償減額判決を破棄し、差し戻し

毎日新聞 2014年03月24日

 過重労働でうつ病となり、休職後に解雇された東芝元社員、重光由美さん(47)=埼玉県深谷市=が同社に賠償などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は24日、重光さんにも過失があったなどとして1審の賠償額を減らした2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。

 東京地裁は2008年、解雇無効を認めて未払い賃金と損害賠償計約2800万円の支払いを命じたが、東京高裁判決(11年)は重光さんが神経科への通院を会社側に申告していなかったことなどを理由に賠償額を減らした。

 最高裁では減額理由の妥当性が争われ、小法廷は重光さんが会社側に体調不良を訴え、欠勤していたことなどを理由に「会社は業務軽減措置をとることは可能だった」と判断。改めて賠償額を算定させるため、審理を高裁に差し戻した。

 判決によると、重光さんは埼玉県の工場で00年から液晶生産ラインの開発などを担当。01年にうつ病と診断され欠勤し、04年に解雇を通知された。解雇無効は2審で確定している。【和田武士】

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