朝日新聞 2014年10月31日
総務省が31日発表した9月の家計調査(速報)によると、2人以上の世帯が1カ月で使ったお金(消費支出)は27万5226円で、物価の影響を除いた実質で前年同月より5・6%減った。4月に消費税率を8%に上げた後の買い控えが長引いており、下げ幅は前月の4・7%より拡大した。
消費支出が前年を下回るのは6カ月連続。前回の1997年の消費税率引き上げの場合、増税から半年後には消費は増加に転じたが、今回はむしろ悪化している。家具・家事用品が前年同月に比べ11・9%減、住居が11・5%減、光熱・水道が8・5%減だった。
安倍晋三首相は消費税率を来年10月に10%に上げるかどうかを年末に判断するが、消費の低迷が長引いていることで、判断が慎重になる可能性がある。甘利明経済再生相は31日の閣議後の記者会見で「不安を払拭(ふっしょく)するピンポイントの対応が必要になってくるか、分析する」と述べ、経済対策の検討を示唆した。