派遣法  全野党抗議の退席 衆院厚労委 自公が首相質疑を強行

しんぶん赤旗 2014年11月8日

 衆院厚生労働委員会の渡辺博道委員長は7日、労働者派遣法改悪案の根幹の問題をめぐる塩崎恭久厚生労働相の無責任な答弁にけじめをつけないまま、安倍晋三首相出席の質疑を職権で強行しました。自民・公明両党が来週中の同法案採決の条件づくりを狙ったものです。国会前では、全労連などでつくる雇用共同アクションなど多くの労働者が集まり、「派遣法改悪案を廃案に追い込もう」と訴えました。

 強行した委員会で冒頭、塩崎氏は、派遣期間の延長をめぐり法案と異なる5日の答弁について補足発言したものの、「言葉足らずで誤解を招くおそれがあった」として、自らの誤りを認めませんでした。

 日本共産党と民主党、維新、次世代、みんなの全野党は委員会前の理事会で「大臣答弁を訂正し、謝罪したうえで審議を進めるべきであり、首相質疑はその後だ」と主張。しかし与党側は「委員長が決断したこと」と押し切り、開会を強行しました。日本共産党の高橋ちづ子議員をはじめ全野党が強硬姿勢を批判し、委員会でも抗議を表明し、退席しました。

 同日、与野党の国会対策委員長会談が開かれ、日本共産党の穀田恵二国対委員長は「『生涯ハケン』につながる懸念など労働者の一生にかかわる議論をしている。その法案の根幹部分での無責任な答弁にけじめをつけないまま進めることは国会をおとしめることになる。政府の都合だけで日程を決めることも言語道断だ」と厳しく指摘しました。

 自民党の佐藤勉国対委員長は野党側の要求を一顧だにせず拒絶。与党は、厚労委で首相出席と一般質疑をそれぞれ、野党が欠席したまま強行。佐藤氏は記者団に対し、来週中に同改悪案の衆院通過をめざす考えを改めて表明しました。

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