長時間残業の法規制を 過労死110番20周年シンポ

 弁護士や医師らが無料で電話相談に応じる「過労死110番」の活動20周年を記念
するシンポジウムが11日、東京都内で開かれ、正社員の長時間労働を解消するため、
残業に対する法規制の必要性などを有識者らが訴えた。
 森岡孝二関西大教授は「細切れにしか働けないワーキングプア(働く貧困層)が増え
る一方、正社員の長時間労働はこの二十年間、ほとんど解消していない。働き過ぎの一
方で貧困がある」と働き方の現状を指摘。
 2、30代を中心に増える過労自殺や、海外の低賃金労働者との競争を迫られる経済
のグローバル化、パソコンや携帯電話の発達で移動中や休日も休めなくなっている現状
など、悪化する労働環境の実態を報告した。
 過労死・自死相談センター代表の上畑鉄之丞医師は、2005年までの6年間に過労
自殺の事例を調査した結果として「原因で最も多かったのが長時間労働。最も(心理面
への)影響が大きかったのが職場の嫌がらせだった」と説明。
 過労死や自殺につながるストレスを予防する観点から「管理職も含め長時間残業を法
律で規制すべきだ」と話した。

 2008年06月11日 共同通信配信

この記事を書いた人