ロイター ルネサス、社員の賃金7.5%減額などで300億円超削減

[東京 6月9日 ロイター] 

半導体大手ルネサスエレクトロニクス<6723.T>は、2012年7月から13年3月までの9カ月間、従業員の月給を7.5%減額する方針を固めた。今冬の賞与2.24カ月分も支給を見送る。複数の関係筋によると、経営側が8日、労働組合に提示した。賃金カットで年間300億円以上の人件費を削減し、キャッシュフローの改善を見込む。

東日本大震災による生産停止や半導体市況の悪化が響き、同社の2012年3月期は626億円の最終赤字だった。今年1―3月も従業員と管理職の賃金カットを実施。4―6月はいったん解除したものの、半導体市況の回復が当面見込みにくいため一段のコスト削減に向けて賃金カットを再開し、早期の黒字転換につなげたい考え。役員報酬や管理職の給与削減も継続する。

別の複数関係筋によると、ルネサスは全従業員(4月時点で約4万2800人)のうち、3割近くに相当する1万2000人以上を削減する方針を固めており、工場閉鎖や早期退職者への退職金などリストラ費用を確保するため、主要株主のNEC<6701.T>、日立製作所<6501.T>、三菱電機<6503.T>の3社に資金支援を要請している。3社は追加出資には慎重で、自己資本の充実につながる劣後債の引き受けや、ルネサスが銀行団から必要な追加融資を受けられるよう債務保証することなどで支援できないかを検討している。

(ロイターニュース 白木真紀、斉藤真理)

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