大阪市:毎日新聞 政党ポスター×、デモ参加○ 政治規制条例、市が職員に運用指針を通知

毎日新聞 2012年8月16日

今月施行された大阪市職員の政治活動を規制する「職員政治規制条例」について、市が具体的な事例を挙げて禁止対象になるかどうかを示した運用指針を職員に通知していたことが15日、分かった。条例は、政治的なデモの企画や演劇の主宰などを禁じているが、運用指針はデモへの参加や演劇への出演は「問題ない」とした。市人事室は「表現の自由と公務員の中立性とのバランスを考慮した」と話している。【原田啓之】

条例は、地方公務員法が定める公務員の政治活動に対する規制を強化し、国家公務員並みに拡大。運用指針は、国家公務員法の運用に合わせ、限定的に解釈した。

市が10日付で通知した運用指針によると、政治活動の制限は勤務時間の内外を問わず、休職・休暇中も対象。区役所の職員は区内で、他の職員は市内での活動が制限される。

デモは単純な参加は認められ、「消費税増税反対」などのデモを企画する場合も、政党や内閣を支持・反対する目的が明確な場合に違反となる。

政治的な演劇の演出や宣伝は禁止対象だが、俳優として出演したり、チケットの購入は問題ないとした。

また、条例は集会やラジオで政治的な意見を述べることを禁止しているが、非公開の会合での発言であれば認める考えだ。

一方、ツイッターなどで政治的意見を述べることについて、人事室は「まだ検討していない。事例ごとに判断する」と説明している。

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