勤労者世帯の月収 12年間で5.4万円減 所得増やす政策を

  しんぶん赤旗 2012/11/21

 2人以上の世帯のうち勤労者世帯の勤め先からの月収は、2000年から11年までの12年間に平均額で52万7818円から47万3115円へと5万4703円も下落しています。総務省の「家計調査年報」からわかります。

「中間層」で顕著
収入の高低順に第10分位から第1分位に分けた階級別にみると、もっとも月収が多い第10分位は7%の収入下落にとどまっています。一方、第6分位で14%、第3分位で13%下落するなど、いわゆる「中間層」での収入の下落が目立ちます。

 第6分位では00年に51万9075円あった月収が11年には44万7953円へと、7万1122円も下がりました。第3分位も37万8223円(00年)から、32万9225円(11年)へと4万8998円もの下落です。

 09年以降の3年間をみると、もっとも月収が少ない第1分位での収入の下落が目立ちます。第1分位の月収は09年に22万7624円でした。しかし11年には21万2846円と1万4778円も下落しています。

 この結果、すべての収入階級の収入合計額に占める第1分位の収入合計額の割合(収入シェア)は09年の4・7%から11年には4・5%へと下落しています。

 相対的に収入の下落幅が小さかった第10分位は同じ期間に収入シェアを18・7%から18・9%へと上昇させています。政権交代後の3年間で収入の上位層と貧困層の格差はさらに広がったのです。

 貧困の増大と格差の拡大の背景に、政治の責任があります。民主党は09年の総選挙のマニフェストに「製造現場への派遣を原則禁止するなど、派遣労働者の雇用の安定を図る」と掲げ、「日雇い派遣」の禁止などを盛り込んでいました。また、「最低賃金を引き上げる」として「最低賃金の全国平均1000円を目指す」ことを明記していました。

 しかし、労働者派遣法は自民党・公明党との談合によって、政府案から製造業・登録型派遣の原則禁止を削除し、現行の原則自由化と変わらなくなりました。不安定な日雇い派遣についても、2カ月以内の契約を原則禁止する政府案を30日以内に後退させたうえ、高齢者や主婦などを除外。政令で学生や年収500万円以上の世帯の人は、禁止の例外と定めました。

個人消費が停滞
最低賃金も今年の改定を経ても時給737円(全国加重平均)で、全国平均1000円からは程遠い状況です。最賃法は最低賃金が生活保護水準を下回らないことをもとめていますが、いまだに達成できていない地域もあります。

 貧困と格差が深刻になることで個人消費が停滞し、日本経済はいつまでたっても回復しません。

 日本共産党は国民の暮らしと日本経済を立て直すために、所得を増やすことを提言しています。大企業の内部にため込まれた260兆円に及ぶ内部留保を日本経済に還元することで、それは可能となります。不当なリストラをやめさせることや、正規雇用が当たり前の社会をつくること、最低賃金を抜本的に引き上げることなどを主張しています。 (清水渡)

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