大阪市立桜宮高校でバスケットボール部の男子生徒が顧問に体罰を受けた翌日に自殺した問題で、大阪市・橋下市長は17日午後の会見で、校長や教員全ての入れ替えを行うことが普通科の入試を続ける最低条件だとの認識を示した。
「校長や教頭は入れ替えるのは当たり前なんですが、クラブ活動の顧問については最低限、全員入れ替えを絶対にやってもらわないと困る」−橋下市長は強い口調で、今年3月に行われる予定の桜宮高校の入試を実施するにあたり、校長や教頭を含む教員の入れ替えが必要だとした。
橋下市長は15日、教育委員会に対して、来月行われる桜宮高校の体育科とスポーツ健康科学科の入試を中止し、2つの学科の定員120人は普通科に振り替えるよう要請した。また、橋下市長は16日、市の幹部宛てに「桜宮高校普通科の入試を継続するにしても、校長や教員の総入れ替えは最低条件だと思います」というメールを送り、体育科などの今年の入試を中止するだけでなく、全ての教員の人事異動を要求している。
橋下市長は「意向は総入れ替え、それは伝えてあります。現実問題、どこまでそういう人事をやるかは教育委員会に任せます。ただ、体育系のクラブ活動の顧問が4月1日からまだいるということになった場合には、その後の体育教師としての人件費は執行しないということを先ほど、教育委員会サイドに伝えたところであります」「学校みんなで、保護者や生徒も含めて当事者となって、ちゃんと新しい生徒を迎えられるような学校にしてくださいと」と述べた。
全教員の入れ替えについて、永井教育長は「無理です。学校がつぶれてしまう」と難色を示したが、市教委の幹部は「クラブ顧問の教員のみであれば前向きに検討する」としている。
一連の問題を受け、17日午後、大阪の市立学校の校長が集まり、臨時の会議が開かれた。中学校の校長会は、桜宮高校の入試を中止しないよう緊急の要望書を市教委に提出したという。
また、下村文科相は橋下市長の対応について、「1つの高校の解決だけで済む話ではない」と語り、体育科などの入試を中止すべきとした橋下市長の方針については「市長の判断は判断として受け止めますが、本質的な解決という意味ではもっと国として考えていく必要があると思います」と述べた。
橋下市長は在校生などからも多くの反対意見があるにもかかわらず、強気の姿勢を崩していない。21日に方針を決定する市教委の対応が注目される。