朝日デジタル 2013/10/18
写真:アルバイトからのパワハラで休職中の男性。「仕事に戻ったら、また怒鳴られるのかな」(省略)
図:パワハラの加害者・被害者の関係(省略)
【牧内昇平】パワハラと言えば、上司から部下への被害が圧倒的に多い。厚生労働省が2012年度に行ったアンケート(複数回答)では、パワハラの加害者と被害者との関係は「上司から部下へ」が77・7%を占める。だが、少ないとはいえ「部下から上司へ」という例が1・3%、「正社員以外から正社員へ」も1・8%あった。
「おい、服脱いで踊れ」そして自ら命を絶った…
厚労省の担当者は、「現在の職場での経験年数など、何らかの優位性を背景にした行為であればパワハラと認められる」と話す。
■「さらし者のよう、情けなかった」
関東地方の配送業社に勤めている30代男性は、自分の指示で働くべき部下のアルバイトたちからのパワハラに苦しんだという。
「社員のくせに使えねえな。この野郎」「お前なんか辞めちまえ」
少しでもミスをすると、年上のアルバイトたちが一斉に怒鳴る。男性は、笑って聞き流すしかなかった。20人ほどの職場のうち、半分以上がアルバイト。正社員より勤続が長い人も多く、アルバイトの立場が強い職場だった。
「怒鳴られてカチンと来たけど、バイトが働かないと業務が回らない。機嫌を損ねないために、耐えていた」
男性が抵抗しないことを知ると、バイトたちはさらにけんか腰になった。
年下の男性アルバイトが顔を近づけて怒鳴りつけてきた。「おめえ、今度ミスしたら次はねえぞ。ふざけんじゃねえぞ。ぶっ殺すからな」 (以下会員のみ)