NHKニュース 2013年10月21日
保育士の資格があるのに保育の仕事を希望しない人に厚生労働省が理由を尋ねたところ、「賃金が希望と合わない」という人が半数近くを占めていることが分かりました。
国は成長戦略の一環として女性の活躍を掲げ、仕事と子育ての両立を支援しようと待機児童の解消に力を入れていますが、保育士の不足が課題となっています。
厚生労働省は保育士の資格があるのに保育の仕事をしていない、いわゆる「潜在保育士」の活用につなげようと、ことし5月、ハローワークを訪れた潜在保育士を対象にアンケートを行い、958人が回答しました。
保育の仕事を希望しない理由について、複数回答で最も多かったのは「賃金が希望と合わない」で47.5%を占め、次いで「他の職種に興味がある」が43.1%、「責任の重さや事故への不安」が40%となっています。
保育士の平均賃金は214万2000円で、全職種の平均を100万円余り下回っているため、国は昨年度から勤続年数に応じて賃金を上乗せできるよう、保育施設に新たな補助金を支給して待遇の改善を進めています。
また厚生労働省は、乳幼児の死亡事故を防ぐために自治体が行っている研修をハローワークの窓口でも紹介し、不安を解消していきたいと話しています。