貸し切りバス11社中10社が法令違反 北海道労働局抜き打ち調査

北海道新聞 2016年4月29日
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0264861.html

 北海道労働局は、長野県軽井沢町で大学生ら15人が死亡したスキーバス転落事故を受け、道内の貸し切りバス会社から11社を抽出して抜き打ち調査を行い、時間外労働などの法令違反を10社で確認した。28日に発表した。労働局は「抜き打ちとはいえ、ショッキングな違反率」とし、10社に是正を勧告した。

 労働局によると、調査は1〜4月に行い、10社の法令違反は労働基準法違反や、労働安全衛生法違反など延べ29件だった。労使協定で定めた上限を超えて月119時間の時間外労働をさせた会社や、運転手に健康診断を受けさせていなかった会社があった。軽井沢町の事故でも、運行会社が健康診断を実施していなかったことが分かっている。

 バス会社は調査に対し、時間外労働などの違反理由について《1》運転手不足《2》外国人観光客の要望に応え、計画外のコースへ行った《3》法令への理解不足―を挙げたという。

 北海道運輸局によると、道内の貸し切りバス会社は3月末現在、260社ある。労働局の渡部智統括特別司法監督官は「基本的な安全管理ができていない残念な結果」と話す

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