しんぶん赤旗 2013年11月5日
契約制客室乗務員裁判
日本航空でパワハラ・退職強要を受け、それを拒否したら雇い止めにされた契約制客室乗務員の女性(29)=日航キャビンクルーユニオン(CCU)組合員=を職場復帰させるよう求めた裁判は、最高裁で、原告・被告双方の上告が棄却されたことが、4日までに分かりました。
日航とその管理職によるパワハラ・退職強要は違法だとして会社側に20万円の損害賠償の支払いを命じるが、雇い止め無効は認めないとした東京高裁判決が確定しました。退職強要を繰り返した同一人物による雇い止めを容認するという不当な判断が是正されませんでした。
客室乗務員を契約社員として採用する制度は、労働組合の「空の安全を守れ」という声によって、「(重大犯罪のような)よほどのことがない限り3年後に正社員に切り替える」制度となっていました。
職場復帰裁判を支援する「JAL契約制CAを空にもどす会」は声明を発表し、「正社員ではありえない安易な雇い止めを認める判断」だと上告棄却について抗議しています。
日航のパワハラ・退職強要の違法性が断罪されたことについては、日航に反省を求めていくとしています。
声明は「原告の勇気ある告発が、人権侵害の横行する職場を変える大きな役割を果たした」と強調。契約社員の不安定な雇用形態が、ものを言えない職場環境をつくり出し、空の安全に悪影響を与えていることが浮き彫りとなりました。全日空で「契約制採用廃止、全員正社員化」が発表されるなど、「非正規化の流れに歯止めをかける新たな状況を切り開いた」とたたかいの意義を強調しています。
航空労組連絡会の専門部の客室乗務員連絡会も声明で、日航に謝罪を求めるとともに、「パワハラ、人権侵害のない職場の実現、正社員化を求め運動を続ける」としています。