朝日新聞 2014年3月3日
NHKの籾井勝人会長が就任会見で政治的中立性を疑われる発言を繰り返すなどした問題で、市民団体「NHKのあり方を考える弁護士・研究者の会」は3日、籾井氏の即時辞任を求める要求書を籾井会長宛てに郵送した。経営委員会にも会長解任を求める申し入れ書を送った。辞任や解任に応じない場合、「受信料の支払いの停止に踏み切る」としている。
要求書は籾井会長の言動が番組編集に与える影響について、「(NHKの役職員が)会長の意向を忖度(そんたく)して報道する危険性が十分ある」などと指摘。就任会見以降の会長の発言や全理事に辞表を提出させた問題について、「NHKのニュース番組で何ら報道されていない」と批判している。
同会代表を務める神戸学院大法科大学院の上脇博之教授は朝日新聞の取材に、「籾井会長からは反省が全く感じられない。政府からの独立した放送が不安視される事態だ。公共放送のあるべき姿を訴えるためにも支払いを一時停止せざるを得ない」と話す。支払い請求の裁判になった場合に備え、法的な検討も行っているという。