ドワンゴ就職受験料、厚労省が中止求め行政指導

2014年3月2日 読売新聞

 来春卒業予定の大学生らの採用を巡り、大手IT企業「ドワンゴ」(東京)が入社希望者から受験料を徴収する制度を導入した問題で、厚生労働省東京労働局が「新卒者の就職活動が制約される恐れがある」として、職業安定法に基づき、次の2016年春卒の採用から自主的に徴収をやめるよう行政指導をしていたことがわかった。

 同社は「対応は今後、検討する」と説明している。

 ドワンゴは、インターネットで応募手続きが簡単になり就職希望者が殺到しているため、「本気で働きたい人に絞り込む」目的で受験料制度を導入した。受験料は、運営する「ニコニコ動画」の語呂合わせなどで2525円に設定。交通費などが多くかかる地方在住者は免除し、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の学生に限って徴収するという。

 同社などによると、行政指導があったのは2月中旬。厚労省は「受験料制度が他社にも広がれば、お金がない学生の就職活動が制約される恐れがある」として問題視。来春卒業予定者の採用では、既に手続きのピークを過ぎているとして事実上、不問にしたが、16年春卒の採用からは徴収しないよう求めたという。

 労働者の募集に関し、職安法は「いかなる名義でも報酬を受けてはならない」と規定。厚労省は指導の中で、ドワンゴの受験料が「報酬」にあたるかどうかは明確に判断しなかったといい、同社の担当者は「受験料は報酬にはあたらない」との認識を示している。

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