廃炉作業員、東電を提訴へ 福島第一原発、待遇改善求め

朝日デジタル 2014年9月2日

 東京電力福島第一原発の廃炉に従事する作業員が、本来支払われるべき手当を受け取っていないとして、東電などを相手に損害賠償を求める訴訟を起こすことが1日、わかった。作業員らの弁護団によると、現役の廃炉作業員が東電を提訴するのは初めてという。

 訴えるのは、第一原発構内での廃炉作業を請け負う下請け企業で働いていた34〜65歳の男性4人で、2人は現役。弁護団によると、がれき除去や、作業用車両の除染などに携わった。

 4人は東電や元請けの大手ゼネコンなどに、原発事故以降の危険手当など計約9千万円の支払いを求めて、3日に福島地裁いわき支部に提訴する。

 東電は元請けに対し、作業員の危険手当として人件費を支払い、昨年12月以降発注の事業については、その額を1人当たり日額1万円から2万円に増額した。

 だが、4人は「就業当初からこの分をほとんど受け取っていない」と訴えているという。弁護団代表の広田次男弁護士は取材に「東電は手当を労働者に届ける配慮をする義務があるが、積極的に手を打たなかった。ピンハネの構造を、裁判を通じて明らかにしたい」。東電の福島広報部は取材に「事実関係が確認できず、お答えできない」としている。

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