同性婚容認の恩恵、全米に 連邦最高裁判決

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朝日デジタル 2015年6月28日
  
 米国の連邦最高裁が26日、すべての州での同性婚を認めた。判決は、婚姻の制度が社会にとっていかに大切であるかを強調し、同性カップルがその恩恵を受けられないのは、不当な差別だと結論づけた。米国で長く続いてきた議論に決着をつける節目となった。

 ■ぎりぎりの判断/社会変化

 判決は、9人の判事のうち4人は強い反対意見を述べ、ぎりぎりの判断となった。判決を言い渡したのは、ケネディ判事。保守派とリベラル派に分かれる最高裁判事の中で、最も中間に位置すると言われ、重要な訴訟の決め手を握ることが多い。同性愛者の権利をめぐる過去の訴訟でも多数派をつくり、判決を言い渡しており、今回もリベラル派の4人と組んだ。

 米国では、同性婚に賛成の人が増え続け、特に若い人ほど支持する傾向にある。世論調査でも、4年前には賛成と反対がほぼ同数だったが、ピューリサーチセンターの今年の調査では賛成57%、反対39%と差がついた。その意味では世論に沿った判断とも言える。判決は結婚が古来続く、「きわめて大切な制度」だと指摘。そのうえで、親が政治や金銭的な理由で決めていた結婚が個人の決定となり、男性優位から男女平等になるなど「本質的な変化も起きた」と認めた。

 また、20世紀半ばまでは同性愛が多くの国で禁止され、精神疾患として扱われた歴史にも言及。こうした状況が様変わりし、同性愛者も家族としてオープンに暮らすようになった結果、同性婚の権利が求められるようになったと述べた。

 そのうえで、「婚姻を認めることで家族や子供も法的な保護を受ける」「夫婦は課税や医療などの面で優遇措置を受けるが、同性カップルはその受益を否定されている」などと指摘。同性カップルを婚姻制度から排除することは、法の下の平等を保障した米国憲法に合致しないと結論づけた。

 もっとも、宗教的な理由などで反対論は根強い。

 最高裁内部でも、立法ではなく、司法が同性婚の権利を確立させることへの抵抗もあった。最高裁のロバーツ長官は「判事は法律解釈の権限が与えられているが、法律がどうであるべきかは言えない」と反対意見を書き、法廷でも要旨を陳述した。

 反対した他の判事も全員が個別意見を述べた。「民主主義の危機だ」「多数意見は結論を急ぐあまり、米国の建国の理念をゆがめた」と強い言葉が並んだ。

 (ニューヨーク=中井大助)

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