連合、28年春闘でベア3年連続要求 今年とほぼ同水準の「2%を基準」

http://www.sankeibiz.jp/econome/news/151022/ecd1510222058003-n1.htm
SankeiBiz 2015.10.22

記者会見する連合の神津里季生会長(左)と逢見直人事務局長=22日午後、東京都千代田区(省略)
 
 連合は22日、東京都内で中央執行委員会を開き、平成28年春闘で、賃金体系全体を底上げするベースアップ(ベア)を「2%を基準」として要求する方針をまとめた。ベア要求は3年連続。中小企業の労働者や、パートなど非正規労働者の賃金水準の底上げに向けた取り組みを強化する方針も確認した。安倍晋三首相は、民主党を支援する連合との「政労会見」を拒否し経済界に直接賃上げを要請する中、連合は本来の役割を示すことができるかが課題になる。

 27年春闘では「2%以上」のベアを要求しており、来年についてもほぼ同水準の要求とする。働いた年数に応じて賃金が増える定期昇給分についても、例年通り約2%を確保することを求めている。

 安倍首相は第2次政権発足後、政府と連合のほか、経済界の代表者も入れた「政労使会議」を開催、首相自らが経済界にベア実現を求めていた。第3次改造内閣発足後は政労使会議も開催しない方向だ。代わりに、連合を外して経済界との「官民対話」を設置、拡大する企業の内部留保を設備投資や賃上げに充てるよう要請し、経済の好循環につなげようとしている。

 連合の神津里季生会長は22日、記者団に対し、政労使会議について「賃上げの必要性などで共通認識を得ることができ、意味があった」と評価した。だが、大企業などで賃上げを先行させ、それを中小企業などにも波及させるとする安倍首相の狙いに対し、「トリクルダウンの考えは、デフレ脱却に向けたすべての働く人の賃金底上げにはつながりにくい」と批判した。

 連合は、来年の春闘で「中小企業や非正規労働者の処遇改善などにも積極的に取り組む」(神津会長)ことを新たに方針に盛り込み、存在感を発揮させたい考えだ。

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