新人教員「過労死ライン」超え 部活指導が負担 名古屋

朝日DIGITAL 2016年8月23日
http://digital.asahi.com/articles/ASJ8Q51V6J8QOIPE017.html  

 今年4月に新たに着任した名古屋市立中学校の新任教諭の「残業時間」が、月平均で100時間に迫ることが愛知県教職員労働組合協議会(愛教労)の調査でわかった。国が定める「過労死ライン」(月平均80時間)を超えていた。主な要因には、部活動の対応などがあるという。

 愛教労が22日、発表した。市立中の教諭はパソコンで出退勤時間を記録しており、市教委が行った初任者研修会の対象者65人全員分のデータを愛教労が分析した。勤務時間(午前8時15分〜午後4時45分)以外の在校時間を「残業」と見なした。

 月別平均は赴任直後の4月が93時間、5月が89時間、6月が98時間で、毎月20人以上が100時間超だった。最多では4月に177時間、6月に197時間の教員がいた。ほとんどが部活顧問を担当していた。

 厚生労働省は、1カ月間に約100時間、または2〜6カ月間に1カ月あたり平均で約80時間を超える時間外労働(残業)をした場合に、脳出血や脳梗塞(こうそく)などの過労死の危険性が高まるとしている。

 愛教労が昨年度の新採用104人のうち25人を抽出して調査したところ、新任の昨年度の「残業」は月平均91時間だったが、2年目の今年度になると月平均で100時間を超えており、さらに負担が重くなっていたことも判明した。

 愛教労の岩澤弘之議長は会見で「学校が『ブラック職場』になっている。これではいい教育ができない」と指摘している。(増田勇介、佐藤英彬)

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