“責任認めず不当”市を提訴

NHKニュース 2016年10月25日

http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20161025/3753101.html

 

 

“責任認めず不当”市を提訴

 9年前に自殺した名古屋市のバスの運転手について、「パワハラで自殺し、公務災害が確定したのに市が責任を認めないのは不当だ」として、両親が市に対し、損害賠償を求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは平成19年に自殺した名古屋市営バスの運転手、山田明さん(当時37)の両親です。

訴えによりますと、山田さんは長時間労働や車内での転倒事故の責任をとらされるなどして心理的な負担が重なって平成19年に自殺し、名古屋高等裁判所は、ことし4月、「身に覚えのない事故の対応や指導は強い精神的負荷になった」などと公務災害と認めました。

これを受けて両親は、ことし7月、名古屋市交通局に対して、謝罪と再発防止について書面などで回答を求めましたが、市側は「指導に問題はなかった」などと応じなかったということです。

このため、「誤った情報に基づいて指導を繰り返すなど、当時の上司の対応は違法なパワハラであり、市が自殺の責任を認めないのは不当だ」として、市に8700万円余りの損害賠償を求める裁判を名古屋地方裁判所に起こしました。

父親の勇さん(76)は「市に謝罪を求めるため提訴に踏み切った」と述べました。
一方、名古屋市は「訴状が届いておらずコメントできない」としています。

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