経団連が6年ぶりにベア容認 賃上げで安倍政権を下支え

SankeiBiz 2014.1.8

 経団連は8日、経営労働政策委員会を開き、平成26年春闘の経営側の指針となる経労委報告書の最終案を了承した。最終案は、賃上げに向けた協調で合意した昨年の政労使協議を踏まえ、業績好調な加盟企業に賃上げを要請し、そのうえで賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)を容認する方針を盛り込んだ。

 ベアの容認方針が盛り込まれたのは、リーマン・ショック直前の20年以来6年ぶり。14日の会長・副会長会議を経て、15日に正式に公表する。

 最終案は、安倍晋三政権が進める経済政策で「経営環境が劇的に変化」し「経営者のマインドも明るさを取り戻してきている」と分析。26年春闘を「日本経済再生の一翼を担っている」と位置づけ、「業績が好調な企業は収益を設備投資、雇用の拡大、賃金の引き上げに振り向けていく」と明記した。

 賃上げについては「ここ数年とは異なる対応も選択肢」とし、「賞与・一時金への反映のみならず特定層の賃金水準引き上げや、諸手当の改定など多様な対応が考えられる」との表現で事実上、ベアを容認した。

 経団連は、円高やデフレの進行を理由に、21年から25年の経労委報告書では、将来の人件費の負担増につながるベアの実施を「余地はない」「論外」としてきた。今回のベア容認は、経営環境の改善を受け、賃上げで景気回復の好循環を促し、政府のデフレ脱却の取り組みを下支えする経営側の意欲表明ともいえる。

 ただ、最終案は「賃金水準は経営側の支払い能力に応じ個別の労使交渉で決定すべきだ」とも指摘。賃上げの具体的な方法は個別企業の判断に委ねるべきだとしており、今月下旬に本格化する個別労使交渉でベアがどこまで広がるかは未知数だ。

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