規制改革推進会議 労基監督官委託、厚労省が猛反発

毎日新聞2017年3月17日 東京朝刊
http://mainichi.jp/articles/20170317/ddm/005/010/105000c
 
 政府の規制改革推進会議は16日、労働基準監督官の一部業務を民間に委託する検討を行う作業チーム(主査・八代尚宏昭和女子大特命教授)の初会合を開いた。
 
 民間委託は、違法な労働を強いる事業主らを取り締まる労働基準監督官の不足を解消するための対策。作業チームは、社会保険労務士などの民間人に、企業に立ち入り調査をする業務を委ねることを提案した。これに対し、会合に出席した厚生労働省側は「民間人が企業に立ち入り、労働違反の指摘や指導をすることは困難だ」と激しく反発し、結論は出なかった。

 会合後、八代氏は「監督官の数が少ないという認識は厚労省と一致している」と述べ、厚労省に協力を求める考えを示した。推進会議側は6月に安倍晋三首相に提出する答申にこの民間委託を盛り込みたい考えだ。【真野敏幸】

この記事を書いた人