人手不足への対応課題 内閣府、経済財政白書で指摘

 朝日DIGITAL 2017年7月21日

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内閣府は21日、2017年度の経済財政白書を公表した。政権交代した12年12月から続く景気拡大局面について「戦後3番目の長さとなった」と、巻頭言で石原伸晃経済再生相が宣言。ただ、人口減少が進む中で今後も成長を続けるには、人手不足への対応が課題になると強調している。

白書では、「戦後最長(02年2月〜08年2月)」「いざなぎ(1965年11月〜70年7月)」「バブル(86年12月〜91年2月)」という過去の景気拡大局面と比較しながら今回を分析した。

有効求人倍率が4月に、バブル期最高値を超える1・48倍と改善する一方で、1人当たりの名目賃金の伸びは期間中の平均が0・4%で、バブル期の3・6%に比べると低い。雇用や企業業績の安定性を優先し、リスクを避ける労使の姿勢などが背景にあると記した。

また、これまで労働力人口の増加を下支えしてきた団塊の世代(47〜49年生まれ)が、70歳以上に達する17年以降は労働市場からの撤退が見込まれると指摘。人手不足が成長の制約になりかねず、長時間労働を前提とした働き方の是正▽時間や場所を選択できる柔軟な働き方の導入▽正社員と非正社員の処遇の格差の是正、といった抜本的な働き方の見直しが必要だとした。

ただ、白書が示した対策は、安倍政権が進める働き方改革や人材への投資に沿った内容で、新味は薄い。(関根慎一)

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