今週のグラフ: 日本では働く女性が求められてい

 IMFブログ  2017 年 11 月 21 日http://www.imf.org/external/japanese/np/blog/2017/112117j.pdf

自宅で子供をあやしながら仕事する日本の母親  女性が正社員として働きながら子供を育てることを奨励することは、日本の経 済成長率を上げる一助に(写真: iStock by Getty Images)

 問題: 日本は先進諸国の中で最も高齢化の進んだ社会である(人口の約 27%が 65歳 以上)。また労働力も不足している(失業率はわずか 2.8%)。どちらもが日本の潜 在成長力を抑えている。 

 解決策:より多くの女性が正規職に就き、子供を産み育てることを奨励する。 

 しかし、一見この矛盾する目標を 整合させることは可能だろうか。 スカンジナビア諸国の実績や IMFエコノミストの見明奈央 子、カルパナ・コーチャー、木下 祐子らの 調査 によれば、その答 えはイエスだ。  

日本では、税制や社会規範、それ に労働慣行が、子どもを持つこと に水を差す側面を持っている。 

日本では男性が終身雇用制を享受 してきた一方で、女性はできてい ない。働く女性の半数以上が、育 児・介護や家事とのバランスを取 るため、パートタイムや期間限定 雇用などの非正規職に就いている。この選択の一因には、正規職ではしばしば残業が 求められることがある(残業代は安かったり全く払われなかったりすることも多 い)。また、この残業は時に働き過ぎによる「過労死」にもつながる。また、非正規 職は正規職の約半分の給与しか得られず、失業率は低いにもかかわらず所得が伸びな い一因になっている。 

夫が世帯の唯一の稼ぎ手であるとの前提のもとに、給与体系の一部は被扶養者数に基 づいている。そして多くの女性が、課税最低限の所得を下回るようパートタイム職を 選んでいる。 

出生率を引き上げ、労働力不足を緩和するには何ができるだろうか。正規職へ就く意 欲を削がなくするような税制改正から始めるべきである。保育園など育児支援施設の 拡充も一助となろう。 

しかし、これら施策だけでは不十分だ。仕事を持つ女性が家庭を持つことに二の足を 踏ませる社会規範の根本的な変化が必要だ。残業時間の制限によって、男性は家事や 育児をする時間が増え、母親となった女性は仕事を続けやすくなる。また、夫がより 長い時間を家庭で過ごすと、第二子が産まれる確率が高まることがこれまでの分析で 分かっている。

 日本がさらなる人口減少を防ぎたければ、迅速に行動する必要がある。2018年以後 になると出産可能年齢の女性の数が急激に減少するためだ。日本の総人口は現在から 2025年の間に、ロサンゼルスの人口にほぼ匹敵する 400万人近くが減少し、それ以 後は減少がさらに加速すると予想される。

 

 

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