第5回過労死防止学会 「働き方改革」関連法1年、ふたたび長時間労働を問う (全国センター通信)

 全国センター通信 No.241 (通巻251号) 2019年7月1日

 
「働き方改革」関連法1年、ふたたび長時間労働を問う
 第5回過労死防止学会
 
 5月25-26日、過労死防止学会第5回大会が、京都、龍谷大学深草キャンパスで開催されました。メインテーマは[働き方改革」関連法制定1年、いま再び長時間労働を問う」,2日間を通じて150人が参加しました(写真)
 
長時間労働と健康に働く権利
 
 1日目は、メインテーマにそった特別シンポジウムが開催されました。全国過労死を考える家族の会の西垣迪世さんは、息子・和哉さんの過労死事件を通して過労死防止大綱改定と働き方改革法の課題を提起しました。また、朝日新聞の坂本輝昭記者は、「朝日新聞」を創刊時から振り返り、明治から散見される過重労働に関する記事が、戦時体制下では減り高度成長期には経済問題での文脈で取り上げられるなど時代を反映されていることを紹介しました。また、脇田滋龍谷大学名誉教授は、健康に働く権利を実現する社会への課題として、韓国の「労働尊重社会」政策に触れ、労働時間問題を労使の枠組みを超えて、全社会的に世論化することが必要だと強調しました。
 
真の働き方改革に向けて
 
 2日目の午前中は7つの务科会が行われました。運輸·教育·医療などの職種別とともに、コンビニ分野の分科会も設定されました。外国人労働者やダブルワークの問題を含め、22演題が報告され、議論を深めました。午後からは、今学会のメインテーマを軸に3人の専門家が報告しました。最初の報告は、職場のハラスメント研究所の金子雅臣所長が、「パワーハラスメント法制化で提起されている課题」。国会で審議中の法案について「(パワハラを)企業における人権侵害と定義していない」と指摘。また、精神科医師の天笠崇さんは『長時間労働とうつ病・過労自殺」と題して、36協定の有効期間をより短く締結すること、ストレスチェックの集団分析を活用して職場環境改善を進めることを提起しました。
 
 労働科学研究所の佐々木司さんは、「交代勤務・インターバルと過労死·過労自殺」と題し、睡眠確保とともに覚睡時の疲労回復が重要で、そのためにも十分な勤務間インターバルが必要であることを強調しました。労働者の立場に立った真の働き方改革を進める上で示唆に富む学会となりました。(全国センター 岡村やよい)
 

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