最低時給は782円に 非常勤の待遇改善で人事院

共同通信配信 中国新聞2008/08/02

人事院は二日、国の省庁やその出先機関に勤める非常勤職員(全国約十二万人)の待遇改善のため、時給の最低基準を初めて設定し、全国一律で七百八十二円とすることを決めた。九月にも各省庁に示す初の「非常勤職員の給与に関するガイドライン」案に盛り込んだ。

 事務補助に携わる職員の待遇を給与面から改善するのが狙い。人事院は「民間の賃金が低い東北や九州などの出先機関の一部では、時給が六百五十円程度のケースもある。こうした職場では給与の引き上げにつながる」と説明している。

 時給七百八十二円は、高卒の正規職員の初任給から換算した。実際の支給額は、この最低基準をベースに、勤務している地域や勤務の経験などの要素を加算して決める仕組みとする。最低基準を下回っている時給については、引き上げを各省庁に求める考え。

 このほかガイドライン案は(1)通勤手当の支給を徹底する(2)正規職員と同じ勤務時間で半年以上継続して勤めている職員には期末手当を支給する―ことも求めた。

 人事院は「仕事の内容は東京でも地方でも大差はない。定数削減で正規職員が減って、正規職員と同様の働きを求められている非常勤職員もおり、一定の基準を示す必要がある」と話している。

 非常勤職員の待遇をめぐっては、国家公務員の労働組合などが「官製ワーキングプア(働く貧困層)」と指摘していた。

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