人事院は8月10日、国家公務員の賃金を0・19%、一時金を0・2カ月、それぞれ引き下げるよう政府に勧告した。賃金、一時金の引き下げは2年連続。今年は56歳以上で6級以上の職員について1・5%の減額を行う、としたのが大きな特徴だ。これによって、平均年間給与は約9万4000円のマイナスになる。
人事院勧告は、民間労働者約45万人の4月分給与を調べ、官民の較差がある場合は、賃金・一時金の水準を是正する仕組みである。
今年の場合、公務員賃金の方が月額757円(0・19%)高く、一時金も0・2カ月高いという結果が出た。一時金は現行4・15カ月を3・95カ月に引き下げることになる。
人事院は2013年度から「定年を段階的に65歳まで延長することが適当」とし、50歳代の給与について必要な見直しを検討するとした。今回は、「民間との格差が拡大している」として、56歳以上の職員の賃金を大幅に引き下げる意向を表明。労働組合は「年齢差別」「十分な説明もない一方的な不利益変更だ」などとして反対していた。最終的には、管理職を中心とする「6級」以上の職員に対象を絞って1・5%減額することとした。
一般職員は、20歳代と30歳代で賃金を維持しつつ、ほぼ40歳代以上は0・1%引き下げる、という。
非常勤職員については、不安定な「日々雇用」の仕組みを止め、新たに「期間業務職員制度」を今年10月から実施する。文言上は雇用期間の「3年上限」を盛り込ませなかった。非常勤職員への育児休業制度の適用や介護休暇制度の導入も打ち出した。来年4月実施に向けて法改正を行う方向である。「連合通信・隔日版」8月12日