SankeiBiz 2012.12.25
従業員300人以上の大企業の約8割に、鬱病や気分障害などのメンタルヘルス不調に悩む従業員がいることが25日、厚生労働省の調査で分かった。特に、従業員1000人以上の企業では9割以上と高く、厚労省は「企業は、従業員の心の健康づくりに積極的に取り組んでほしい」としている。
厚労省が平成23年10月に全国の1万3276社(有効回答は9664社)を対象に行った調査では、「過去1年間にメンタルヘルス不調を抱えた労働者がいる」と答えた企業は13.9%。ただ、従業員300人以上の企業では約8割、1000人以上の企業では9割を超えた。従業員5000人以上では、不調を抱える従業員が30人以上いる企業も68.2%に上り、大企業ほどメンタル不調の従業員が多い現状が浮き彫りになった。
メンタルの不調で連続1カ月以上休業したり、退職した労働者が多い業種は、「電気・ガスなど」28%▽「情報通信業」25.4%▽「運輸・郵便業」15.5%▽「医療・福祉」14.6%▽「金融・保険業」14.1%−の順。企業側に、従業員が不調をきたした理由は何だったかを尋ねたところ、「本人の性格」との回答が過半数。「上司・部下のコミュニケーション不足」「仕事量・負荷が増加」など仕事や職場環境が原因と考えている割合は3割程度にとどまった。厚労省は「業務負荷による精神障害や自殺も増えている。『いつもと違う』部下がいたら、早く気づき、対応してほしい」としている。