日銀「国民は単に物価上昇を望まず」

しんぶん赤旗 2013/01/25

“賃金低下が問題”

 日銀は23日、前日の金融政策決定会合で決めた2%の物価上昇目標に関する「付属資料」を発表しました。この中で、最近のアンケート調査をもとに「国民は単に物価が上がるという状態を望んでいるわけではない」と指摘しました。また、物価下落の原因として企業が賃金を引き下げたことを挙げました。

 11日に日銀が発表した「生活意識に関するアンケート調査」(2012年12月調査)によると、物価上昇について「どちらかと言えば困ったこと」との回答が85%と圧倒的多数を占め、「どちらかと言えば好ましいこと」はわずか2・1%でした。物価下落についての感想でも「どちらかと言えば好ましいこと」が34・5%と多数を占め、「どちらかと言えば困ったこと」は27・4%でした。

 「この調査結果は、国民が望んでいる『物価の安定』とは、雇用の増加と賃金の上昇、企業収益の増加などを伴いながら経済がバランスよく持続的に改善し、その結果として物価の緩やかな上昇が実現する状態であることを示唆している」と、「付属資料」は述べています。

 また、日本企業の動向について「主として賃金引き下げによってコスト削減を図った」とし、「賃金には、1990年代末ごろから慢性的な低下圧力がかかり続けるようになり、このことは、労働集約的なサービス部門を中心に緩やかな物価下落要因として作用した」と分析しました。

 「ひとたび成長力が低下した際にそれが賃金の引き下げや価格競争に直結しやすいわが国の企業行動等によって、緩やかな物価下落が生じやすい状況が続いてきた」ことを指摘しました。

 物価の品目別変動については、「日本では耐久消費財の下落が特に大幅」だとして、「テレビなどのデジタル家電、パソコンといった品目において、わが国の下落率が大きい」と分析しました。

 景気の改善を伴わないまま、市場参加者が予想する物価上昇率が上昇した場合、「実際の物価や賃金が上昇する前に、長期金利のみが先行して上昇」し、国債の利払い負担の増大を通じて財政が悪化する可能性に懸念を示しました。

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